あなたの魂に安らぎあれ
神林長平さんの同タイトルの本とは関係ない内容ですが、同書はネコとSFが好きな人にはお勧めの一冊です。(と言っても、ネコ好きにお勧めできる理由は、ラストまで分からないと思いますけど。)
寂光様とkana様のコメントへのレスを考えながら、心に浮かんで離れなかった思い出話を一つ。
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生まれも育ちも札幌の管理人ですが、小学4年のときの数ヶ月だけ、帯広に住んでいたことがあります。
父の実家は十勝地方なので、父方の親戚と行き来する機会が増えました。
秋の初めのある日、そんな親戚の家で寛いでいると、従姉たちが、当時の流行りの「こっくりさん」をやりたいと言い出して、
父方では要らん奴扱いでハブかれるのが基本の私にも、珍しく、「人数が足りないから」と近づいてきました。
その頃は、そういう交霊術もどきが社会現象になっており、これを端緒に精神を病む子供が数多くいて、精神科医も心霊研究家も、口を揃えて注意を呼びかけていた時期です。
私としては(アホみたいなリスクを真顔で冒す人たちだなー)と思いましたが、とくに反論もせずに手を貸しました。それまで見たことがなかったもので、大抵は参加者の無意識のなせる技だとしても、興味深いのは確かでしたから。
仮に幽霊だとしても、
幽霊とかいう、普通の人から手足や頭脳を引き算した存在を怖がるのは、人としてどうよ?と思いましたし。
で、
そんなこんなで始めたこっくりさんで、乙女な従姉たちは片思いの行方のような質問をしたかったらしいのですが、10円玉は、そういう話題に入る暇もくれずに動き出し、やがて
「私は青森出身の女で、37歳で自殺したんですが」とかいう、TPOをわきまえない、ヘヴィな身の上話をつむぎ始めました。
従姉たちが、早々に「お帰り頂いた」のは言うまでもありません。
私としては「もしこれが本当に幽霊だとしても、人生を不戦敗で終わらせた自殺者が怖いわけがないでしょう?」程度にしか思いませんでしたが、
従姉たちは心底怯えたようで、以来彼女らは、少なくともこっくりさんには、手を出さなくなりました。
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そのあと家に帰り、母には上の出来事について何も言わずに挨拶だけをして、横になっていた夕方のこと。
母がいきなり寝室に入ってきたかと思うと、
私のベッド脇に立ち、目をギラギラと光らせた異様な笑顔で
「私は津軽の○○という町の※※という女で、37歳で自殺したんだが(以下略)」
などと語りはじめました。それだけならまだ良いですが、いつもの発作より執拗で、やめろと言ってもやめません。
TPOを弁えない幽霊と母がタッグを組んだ、病み具合が二倍の言動に
なんとも嫌な気分になりました。
悲しいような、腹立たしいような。
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これが怪奇現象かどうかは、正直言ってどうでも良かったです。
ただ、小学4年生なりに痛感したのは、
親らしい心がある人には、こういう事は起きない、ということや、
母が自殺者に同調しやすいのは、この世の中に魅力がないと思っているからであり、言葉を変えて言えば、
母は、私も兄も父も、好きではない、ということでした。
これに気づきさえしなければ、ごく平凡な日常の一こまだったのですが。

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