物心がつかない、ということ
今は学校が春休みだとかで、
同僚の子持ちの女性とお弁当を囲んでいると、しょっちゅう携帯が鳴る。電話の向こうからは、まだ声変わりしていない小学校中学年と低学年の男の子が、連日無邪気なことを報告してくるので、傍で聞いているだけでも楽しい。
近所で餅まきがあったこと、
兄弟でお餅を沢山拾ったこと、
拾ってきたお餅で、お家の中でも餅まきをやってたら、にーちゃんが色々命令してきて腹が立ったとか、お餅って冷蔵庫に入れちゃダメなの?とか何とか。
毎日がとても楽しそうですね、という私に、
男の子二人のシツケは腕力勝負よぉ、と、その人は口を尖らせた。
その人は見た目からして女らしく、ついでに私より年下で、体罰といってもデコピン程度しかやらなそうに見えるが、
実際は、毎日が取っ組み合いだそうだ。
それをきっかけに、隣席の別の女の人(三十代後半くらい)が、子供時代に一緒に育ったという従弟の話を始めた。
二歳下のその従弟は、今でこそ各種の黒帯を所持するアマチュア格闘家であり、
思いやりに溢れた立派な社会人だけれど、
物心がつく前は、あらゆる場面で腕力勝負を挑んでくるタイプだったので、いまだにその記憶のほうが鮮烈らしい。
例えばキン肉マン消しゴムが一個見当たらない、というだけの理由でプロレス技その他を掛けてくるため、彼女も腕っぷしで反撃しないと毎日の生活を送れなかったのだが、
審判であるお祖母ちゃんは、そんな時でも
「お姉ちゃんなんだから、あんたが優しくしなきゃダメ。」と彼女を叱るだけだったとか。
ちなみにこの人も、たいへん女性らしい、優しげなタイプである。
管理人の兄は根っからの文化系だし、
従兄弟たちにしても、年上すぎて互いにお客さん扱いか、又は年下すぎて、私がオムツを換えたこともあるほど…という感じなので、
未知の家庭環境をしのいで来た彼女らのことは、何だか尊敬してしまう。(特にママさんのほう)。
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【今日のまとめ】
たとえば憧れのイトコのおねいさんに、
ウエスタンラリアートやエルボードロップ(かっこいい技)を、
スタン・ハンセン(かっこいい人)のようにキメて倒せば、
ボクも「かっこいい
」と思ってもらえるんじゃないか?と考える、おっそろしく無邪気な心理状態。
それが「物心がつかない」ということ。
※注「ラリアート」=私の世代が子供だった頃の「ラリアット」の呼び方。

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