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Monday, 07 November 2005

日本とアメリカ/前回の、戦中の大蔵官僚の思い出話の続き

前回に触れた元官僚の祖父は、戦後は、アメリカ好きになった。
多分、お金をくれたからだと思う。

前も書いたようにアメリカは、ドイツ占領に際してナチス時代のエリート層をほぼ排除しつくしてから後釜に座ったが、勝手知らぬ国の行政のこととて、あとで非常に苦労したらしい。そのため、日本では、官僚などは極力温存するように心がけたと聞く。 そんな裏事情はさておき、祖父個人のレベルでは、

ドアの外で待つ、かつては泣きそうな顔をしていた他省庁の官僚に
「君のとこの予算枠、増えたよ!」といえるようになったのが
きっと、嬉しかったのだと、わたしなりに推測している。

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翻って、筆者が親に生計を頼っていた、10代後半のころのことに移る。そんな大人にもなって親に依存する生活は、いくら病気でやむをえないとはいえ、人間としての尊厳を蝕むもので、可能な限り負担を軽くする必要があった。

節約のために、バイトが出来たときなど、海外から
野外活動向けの頑丈な服を購入して、
普段着に充てたりした。
それまで日本の投売りで買ってきた、一着500円~1900円くらいの服は、数ヶ月でだめになるが、
海外の物は、良質で名高い品物でも、
バーゲンだと運賃こみで一本あたり千五百円くらいで買えて、
よほど乱暴に扱わなければ、毎日身につけても数年保つからだ。

けれど管理人が、うだつの上がらぬ10代のくせに、まるで米国東部エスタブリッシュメントみたいに

アウトドア・命の顧客リストと、
Foreign AffairsやHarvardBusinessReviewの読者リストに重複していたのが祟ったのか、

ある日、アメリカの軍事マニア向けの通販カタログが、我が家の郵便受けに届いた。

目を通して驚いたのは、「第二次世界大戦グッズ」で、

米軍が、日本を空襲した時の地図(レプリカ?)が売られていることだった。
Kurashiki とか、
Komatsu とか、
Kobe とか。

あなたの近所にもいるような、、
山田さんちの赤ちゃんとか、
鈴木さんちのおばさんとか
田中さんちのお姉さんとかが、

異郷で耐乏生活中の金さんとか王さんとかもろとも、
焼夷弾投下で生きながら焼かれた夜の、「記念品」だ。

これに「男のロマンだな、空襲地図♪」
「こうしてアジアに自由と民主主義がもたらされた訳だ、いいねえ!」
などと
うっとりする変態が、アメリカには、いるわけだな。

これを見たあと、日本の
「●●虐殺否定論者」VS「反戦」の構図が
かなり可愛く見えてきた。
少なくとも、
その感情的な叫びの後ろに、人を殺すのは決して褒められたことじゃない、という
共通認識があるからだ。

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個々のアメリカ人に関していうと、老いも若きも、富める人も貧しい人も、礼儀正しく心温かい人々が非常に多い。 (俗に日本人が思うアメリカ人的な「押しの強さ」は、相当の無理と努力の産物だったりする。) むしろ今の日本人自身よりもアメリカ人のほうが、ふた昔まえのステレオタイプの「日本人」に近いくらいだ。

あまり優しすぎて、世界に不正があることが許せず、一気呵成に正義の世界が来ないことを、悲しむような。あまり繊細すぎて、「戦争で間違って死んだ人は、神様が天国に入れてくださる」と信じてやまないような。自分のどこかにある残忍さや歪みを、直視したくないような、そういう雰囲気の人々が多い。

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一月くらいまえ、
日米友好ン周年、というようなシンポジウムを
テレビで、最後まで見た。
この手のシンポで本音が語られることはまず無いけれど、
建前の交し合いは、それなりに興味深かった。

一生懸命に米国を持ち上げ、
「日米友好こそが世界平和の礎」という方向に持って行きたい日本側。
遠まわしに、
「最近は中国に魅かれるから、日本とは距離をおきたいです」
「日米友好は、日本が米国債を買い続ける事が前提です」
と言うような態度の、米国人出席者たち。

悲しく切ない、片思いの構図

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米国陸軍司令部が日本に出張るつもりらしく、連日、ニュースで騒がれている。

ここしばらく世界を見ていても、アメリカの忠犬は役立たずになった後はツブされて料理されちゃうのが通例なので(古くはマルコスを、最近はサダム・フセインを見たまえ)、

自分の国の大動脈に刃物を突きつけられたようで、正直言ってぞっとしない。

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